頑張らないように頑張る。

努力と怠惰の狭間

「明日死ぬと思って仕事しよう」

タイトルは前職の上司に言われた言葉です。
ふと思い出しました。

急に何言ってんだって感じではありますが、
つまりは、明日死んでも大丈夫なように、
必要なドキュメント残したり、
ソースコードにコメント残したりしておこう、という意味です。

「過労死するまで働け」とか馬鹿げた話ではないです。

仕事をする上で大事な事

他にもあるとは思いますが、ざっくり分けるとこんなところかなと。

  • 利益を上げて会社に貢献する事
  • 顧客に価値を提供して社会に貢献する事
  • ビジネスを止めずに安定してサービス提供する事

スピードってそんなに大事?

仕事にはスピードが求められます。
品質を犠牲にしてスピード上げろとかもよく聞く話ですが、まあスピードが大事です()

スピードを上げるためには、余計なドキュメントを作ったり、人に伝えたりするのが億劫だったりします。
分かってる人がやって、出来る人がやって、どんどん属人化すればいいだけです。

そして明日、不慮の事故で死ぬとします。

分かってる人や出来る人がいなくなって、その仕事を引き継げる人がいなくなります。
ドキュメントもありません。
ましてや話も聞いてません。

他の人が残業なり何なりしてコストをかけるか、
脳を解剖して記憶野からデータを抜いて復元するまで待つしかないです。

顧客が求めてるのは安定したサービス提供

よく「相手の立場になって考えろ」とは言いますが、
顧客の立場になって考えた時、「早くなくていいからちゃんとしたもの出してくれ」と思います。

レストランでも、早くなくていいから美味しいもの出してほしいし、
公共交通機関でも、早くなくていいから定時に着いてほしいし。

安定したサービス提供を求めてるわけですね。
(僕だけかもしれませんが。僕だけなのかな。)

安定したサービス提供をするためには、ビジネスをストップさせてはいけないんです。
ビジネスをストップさせてはいけないという事は、明日死んでもいいように残すものは残し、伝えるものは伝えておかなければなければならないんです。

という話を各所にしても......

「とは言ってもスピード感がないと顧客も離れるしねー」
「属人化する事によるメリットにも目を向けないとねー」
「ドキュメント作っても金にならないしねー」

と言われる始末.....

ええ、分かってますよ。分かってますとも。

この話は、つまるところ理想論に近いのかもしれません。

理想論だからこそ、分かってても実行に移せない移さない。
理想論だからこそ、現実しか見ずに理想は追い求めない。
理想論だからこそ、机上の空論扱いされて白目で見られる。

ええ、分かってますよ。分かってますとも。


特にIT業界なんかは、「技術の移り変わり」より「人の移り変わり」の方が早い業界なんだから、
誰が来ても、誰が去っても大丈夫な体制を整えておくのが大事だと思うのです。

たまに「IT業界は技術の移り変わり早いから」って言われるけど、言うほどじゃないよ。
確かに他の業界と比べたら早いのかもしれないけど、一回採用したら数年はそれで運用するんだし、
数年の間に人の入れ替わりもあるし、だったら残しとけよって話で。

逆に、技術の移り変わりが早いからこそ、古い記法と新しい記法が混在してカオス状態になったりするから、
適切なソースコードコメントと改行とインデントを入れて、後任者が分かりやすくしておくのが大事。

そもそも、ソースコードっていうのは、書く時間より読む時間の方が長いし、 機械と人間が理解しやすい構成にしておく必要があるので、 後任者の事を考えないという考えそのものがナンセンスであり、

ブツブツ....


つまり、

一度、「明日死んだら自分の仕事がどうなるか」を確認してみてください。

ソースコードにコメントを書く書かない。
ドキュメントを残す残さない。
属人化をするしない。

これらを考える上で、明日死ぬかどうかというのは、一つのヒントにはるはずです。
(ここまで言ってもなお「コメント書かない」「ドキュメント残さない」「属人化したい」って人もいるとは思うけど、むしろそういう人の話も聞いてみたい)


ps.
ソースコードが必要かどうかについては、この方と意見が似てます。 参考までに。

http://wa3.i-3-i.info/column20.html