ロザン菅が物語調で日本史を教えてくれる「京大芸人式日本史」をまとめた。【後編:明治時代~】
前回まとめた『ロザン菅が物語調で日本史を教えてくれる「京大芸人式日本史」をまとめた。【前編:~江戸時代】』の続き。
なお、前提などについては前回のエントリーを参考いただきたい。
📅それぞれの時代
前編で江戸時代までまとめたため、本エントリーでは明治時代以降について見ていく。
✔明治時代
『五箇条の御誓文』が提示され、「天皇主体国家で頑張ろうぜ。士農工商も撤廃で地位は同等な。」となる。
徳川慶喜は、薩摩藩と長州藩が政治の中心だったため明治政府には入れなかった。 また、徳川慶喜が保有してた土地の返還を求められたが、徳川慶喜の周囲の人間は反抗し「戊辰戦争」が勃発。 これにより新政府軍が勝利し、土地は天皇のものになり(版籍奉還)、廃藩置県も実施された。
明治維新
【海外視察】として、岩倉具視・大久保利通・伊藤博文・木戸孝允の「岩倉使節団」が、外国と仲良くするためにアメリカやヨーロッパに派遣。 西郷隆盛と板垣退助は日本でお留守番だったので、4人との意見に乖離が出始める。
留守番組「朝鮮を開国させるために攻めこもう(征韓論)」
派遣組「そんな事したら他の国から攻められるよ、他の国強いよ」
留守番組「意見合わんからやめさせてもらうわ(明治政府から離脱)」
結果、明治政府は朝鮮の開国に成功。 琉球にも沖縄という県を無理矢理置いた(琉球処分)。
【税対策】として、年貢を米で納めさせるのをやめ、「地租改正」により地価の3%を現金で納めるようにした。
【経済活動】として、官営工場である「富岡製糸場」の設立に伴う、西洋人技士や留学生の雇用や機械の輸入。 お金も円・銭・厘に統一し、国立銀行を設立し、「日本銀行券」も発行。 「電信ネットワーク」や「鉄道」、「郵便事業」の登場。 「活版印刷」の発達による新聞の発行。
【教育】として、「学制」が施行されて、全国に小学校ができ、義務教育ができた。
【その他】として、 ランプやガス灯、レンガ造りの建物が取り入れられた。 また、太陰暦ではなく「太陽暦」になった。
大日本帝国憲法の策定
留守番組の西郷は、「ほんま腹立つわ」と明治政府に対して乱を起こした(西南戦争)。
留守番組の板垣は、「五箇条の御誓文の時みんなで決めよう言うたのに一部の人間で決めとるやんけクソが」と、民選議院設立の建白書を提出(自由民権運動)。
「大日本帝国憲法」は、自由民権運動に賛同した人達の増加により、専制君主制から立憲君主制になった事で定められる。 本憲法下に「貴族院」と「衆議院」の2つの議会が置かれ、衆議院には自由党と立憲改進党が過半数を取った。 (大日本帝国憲法は、皇帝が強かったドイツの憲法を参考にしている)
日清戦争
憲法と議会が開かれた事で、日本はある程度まとまるようになってきたので、次は海外との戦い。
不平等条約を結んだままなので、このまま対抗していくのは不利である。
「関税自主権の確立」と「領事裁判権の撤廃」を目指し、外務大臣を通じて交渉をしてたが実らず。 そんな時に「ノルマントン号事件」が起きたため、条約改正の声が大きくなった。 その後、ロシアがアジアに進出するのを恐れたイギリスが、領事裁判権を撤廃し、関税自主権も回復した。
領事裁判権の撤廃でイケイケになってた日本は、「日清戦争(朝鮮開国に伴う清との領地争い)」により清に攻め入る。 日本は清に勝ち、「下関条約」により、朝鮮を独立させる事・清の港を使わせる事・遼東半島を渡す事を要求した。 (「遼東半島は清に返せ」とロシア・フランス・ドイツが言ってきた。(=三国干渉))
日清戦争の恩恵として、勝利して得た金を軍事や産業に使った事で「紡績業」や「製糸業」が発展し、輸出が増加。 戦争には鉄が必要になるため「重工業」が発達し、八幡製鉄所も作り、造船所も増加。
公害問題は、これらの工業の発展により生じた。 足尾銅山の鉱毒が川に流れ込んだ事で大きな被害が起き、地元議院の田中正造が政府に対策を訴える。 こういう問題に対抗して、労働運動や社会主義運動が起こり、幸徳秋水が天皇の暗殺を企てた。 こういった反政府運動を取り締まるために「治安警察法」が制定された。
日露戦争
この辺りから、欧米の近代文化が急速に取り入れられ始めた。
中江兆民は、フランスの思想家・ルソーの「社会契約論(人は生まれながらにして自由平等)」を日本語に訳し、自由の発想を広めた。 徳富蘇峰は、日清戦争後の三国干渉の影響で「国家主義(国民の利益より国家の利益を優先)」を唱える。 明治になりキリスト教も解禁され、教派神道も広まり、仏教界も立ち直り始めた。 教育も国家主義的な学校令や教育勅語などが定められた。
一方、清で「義和団事件(清から外国人を追放)」が起こり、清は欧米諸国に宣戦布告する。 しかし敗退し、「北京議定書」という不平等条約を結ばされる。
味を占めたロシアが満州を支配しようとするが、それに腹が立った日本は「日露戦争」を起こした。 日英同盟によりイギリスを味方につけた日本はロシアに勝ち、「ポーツマス条約」を制定し、南樺太などを取得した。
日露戦争に勝利したが賠償金がもらえなかったため、「圧勝だったのにおかしいやろ」と国内で暴動(日比谷焼打ち事件)が起きる。 これが都民民衆運動のきっかけとなり、「大正デモクラシー」に繋がっていく。
清とロシアを倒した日本は、欧米に衝撃を与えた。 また、日本は列強の植民地政策を真似て、韓国を植民地にした。
✔大正時代
「大正デモクラシー」と呼ばれる民主主義が叫ばれるようになり、 吉野作造は「民主主義」を、美濃部達吉は「天皇機関説」を訴えた。
第一次世界大戦
<ドイツ・イタリア・オーストリア>の三国同盟 VS <イギリス・フランス・ロシア>の三国協商
ヨーロッパでは、イギリスとドイツが中心に植民地争いが勃発。 そんな中、オーストリア皇太子が領地であるセルビアの視察をしてる最中に、セルビア人の青年に殺害され、「第一次世界対戦」が勃発。
日本は日英同盟を結んでたため戦争に参加し、中国にあるドイツ基地に攻め入る。 主戦上はヨーロッパだったため、中国はガラ空きで日本が勝利。(二十一ヵ条の要求)
のちにアメリカも参戦した事で、第一次世界対戦はあっけなく終了。
「国際連盟」は、第一次世界対戦をきっかけに、戦争のルールとして制定。 (提案したアメリカはこれに入らなかった)
第一次世界大戦により、ヨーロッパの工場は壊れたため、日本からの輸出が増えて成金に。 しかし、ヨーロッパの復興が進むと輸出機会も減り、日本の雇用が減り不景気に。
「米騒動」は、戦争による格差の拡大に伴い、商人が米を買い占め、米の値段が高騰。 米を買うのは主婦なので主婦が激怒し、米屋を襲った。
「労働運動」は、この頃から盛んになり、労働者は自分達の権利を守ろうとメーデーを起こす。 また、女性も権利の主張をするようになり、平塚らいてうや市川房枝が「婦人参政権」を唱える。
「普通選挙法」は、加藤高明が首相になって制定されたが、選挙権を持ってるのは25歳以上の男性のみ(婦人参政権の無視)。 また、治安を維持するためなら何でもありの「治安維持法」が成立。
ちなみに、「関東大震災」も大正の出来事。
✔昭和
「世界恐慌」により、アメリカの証券会社の株が劇的に下がり、各国が対策に出る。
アメリカは、雇用を増やすためニューディール政策により公共事業を作る。
イギリスとフランスは、他の国からものを買わないようにブロック経済。
ドイツとイタリアは、自国の領土を広げるためファシズム。
日本の政治もめちゃめちゃに。
「五・一五事件」により、海軍の青年将校が、犬養毅を殺害。
「二・二六事件」により、陸軍が、首相・岡田啓介を殺害。
この辺りから日本の政治は軍が支配するようになったが、陸軍と海軍がそれぞれの利益のために動いてしまう。
不景気は戦争に繋がる。
- 中国は、「満州事変」により反日デモを起こす
- 中国は、国際連盟に日本を訴え、国際連盟は日本に満州から撤退するよう要求する
- 日本は、軍政治なので軍縮など考えられず、これを拒否し国際連盟を離脱
- 日本は、ドイツ・イタリアと組んでしまう(イギリスの敵国なのに・・・)
- 中国は、これにキレて、「日中戦争」勃発
- 日本は、日中戦争の仲介役にドイツが入るも聞き入れない
- 中国は、アメリカ・ソ連・イギリスが味方だったため、強気だった
- 日本は、「国家総動員法」という、戦争のためなら何でもしないといけない滅茶苦茶な法律を制定
- 世界は、【第二次世界大戦】が開始(<ドイツ・イタリア・日本>の枢軸国 VS <英国・米国・ソ連・中国>の連合国)
- 日本は、第二次世界大戦でドイツが戦ってるところに便乗しようとする
- 米国は、便乗してきた日本にキレる
- 日本は、日中戦争で中国と戦ってるのに、アメリカ・イギリスも敵に回してしまう
- 中国は、アメリカ・イギリスと共に、日本に降参するよう要求(ポツダム宣言)
- 日本は、これを拒否した
- 米国は、日本に原爆を落とし、終戦
敗戦した日本は、アメリカを中心のGHQに占領され、弱体化および民主化として「治安維持法の廃止」「特別高等警察の廃止」「財閥の解体」をさせられる。 戦争の責任は、政治家と軍人が東京裁判にかけられて処罰。 「天皇は人間である」という事を宣言させられた。
「選挙法」も変わり、選挙権が20歳以上の男女に変更。 労働組合を作ってもよくなり「労働基準法」も設定された。 教育勅語はなくなり「教育基本法」が制定され、教育機会の均等化・義務教育9年・男女共学が決定。
そして、「日本国憲法」(国民主権、平和主義、基本的人権の尊重)が制定された。
😶後編のまとめ
前編では蘇我一族が調子に乗って放火させられていたが、後編では日本が調子に乗って原爆を落とされている。
また、明治時代にある程度改革が進んだ事で、現代日本があると言っても過言ではなさそう。
あと、大正って大変だったんだな・・・。
余談
「学生時代に勉強したでしょ」と言われる事があるけど、あまり覚えてない。 断片的には思い出せるけど、具体的に思い出す事はできない。
使わない知識であっても確実に脳には格納されてるはずなので、どうにかして引っ張り出せたらいいんだけど、どうやったら引っ張り出せるんだろう。
後から入れる知識についてはインデックスを付けて格納すればいいから取り出しやすいけど、過去にインデックスも付けずに煩雑に格納した知識なんて、引っ張り出せないと思うんだけど、何か手法はあるのかな。