頑張らないように頑張る。

努力と怠惰の狭間

エンジニアリングとは一体なんなのか。

本来の意味

Wikipediaによると、エンジニアリングとは「基礎科学である数学・化学・物理学などを工業生産に応用する学問」との記載がある。


つまり「基礎知識を付けた上で、応用して生産しましょうね。」という事である。


ITにおける基礎知識とは

いわずもがな、基本情報技術者試験相当の知識だと考えられる。
基本情報技術者試験は、以下の3つに分類されている。

  • テクノロ
  • ストラテジ
  • マネジメント

まずは試験問題として出題される用語くらいは覚えている必要があり、これを基としてようやく応用・生産ができるようになる。


NGパターン:車輪の再発明

「いざ基礎知識をつけて応用・生産するぞ!」と息巻いても、そもそも世の中には応用・生産されたシステムやツールが多く存在する。


ビジネスにおける課題解決の9割5分は、世の中にあるシステムやツールで解決可能であり、わざわざ車輪の再発明をする必要がない。
むしろ、車輪を再発明する事で、コストが高くついたり、時代に置いていかれたり、不整備な車輪になってしまう恐れすらある。


世の中にあるシステムやツールを使えば、低価格、むしろ無料で実現可能な事の方が多い。
より速く・より安く・より確実にビジネスを回すには、車輪の再発明などする必要性は微塵も感じられない。


エンジニアとして重要な事は『作ること』ではなく『提案すること』なので、「その仕組みと投資、本当に必要?」ときちんと検討して提案する事が重要になってくる。


OKパターン:車輪のカスタマイズ

とはいえ、世の中にあるシステムやツールは汎用的過ぎて、カスタマイズが必要な事が往々にして存在する。
そのため、我々エンジニアに求められているのは、「いかに多くの車輪を知り、いかにカスタマイズできるか」という事になる。

<例1:ITIL

ITILとは「Information Technology Infrastructure Library」の略称であり、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめた書籍群である。
これにはシステム運用に関する知識がふんだんに盛り込まれており、基本情報技術者試験の問題にも用語が出題されている”基礎知識”である。


以前、粗悪な運用をしているプロジェクトにアサインされた際、運用の不備を明確化した上で、改善策としてITILを提示した。
すると、多くの人間が「ITILって何?」と、言葉すら知らない状態であった。


その時、「基礎知識を知らない人間が運用しているのだから、そりゃ運用が回るはずもない」と悟った。

<例2:GoogleMicrosoftグループウェア

Googleは「Google Workspace」、Microsoftは「Office365」として、グループウェアを展開している。


グループウェアでは、メールやチャットはもちろん、資料共有やタスク管理、API連携など活用の幅は多岐に渡る。
また、ノーコードでWebサイトが作れたり、ローコードでAPI開発を行う事もできる。


これらを活用すれば業務改善も容易に行う事ができ、新たな価値発揮を提示する事もできる。


しかしながら、グループウェア内の機能が多いせいか(多くはないのだが)、その活用方法を知らず、昔ながらの悪しき慣習のまま仕事をしている人も多く存在する。
しかも、IT部門にいるにも関わらず・・・・・。


SDGsで考えるエンジニアリング

SDGsにある「つくる責任、つかう責任。」は、エンジニアとしては考えなくてはならない目標である。


エンジニアリングとは、基礎知識を応用して生産を行う事である。
基礎知識として『新たに作るべきモノ』『新たに作らなくていいモノ』を判断し、それぞれに合った提案を行う。


不要なモノを作らないという事は大事であるし、
必要なモノをより便利に昇華させていく事も大事である。


不要なモノが作られるとそれをメンテするリソースも必要になってしまうし、
有限なリソースを必要なモノに避けなくなってしまい、悪循環に陥る。


エンジニアが行うべき新たな価値創造

ビジネス課題を解決する車輪は、GoogleMicrosoft基本情報技術者試験が提供してくれている。
エンジニアはこの車輪をカスタマイズできるように自己研鑽し、カスタマイズでは実現できない一から作るべき事に対して、初めて新たな価値創造を行えばよい。


一方で人間は、ビジネス以外の時間を有意義に過ごしたいと考えている。
つまり、余暇時間をいかに有意義に過ごすかを考えてる。
なので、余暇時間を充実するシステムやアプリの開発をする事で、新たな価値創造をする事ができる。


不要なモノは生まないよう、新たなモノを生み出す。


これがエンジニアリングに求められる事だと考えている。