頑張らないように頑張る。

努力と怠惰の狭間

【W杯】「日本vsポーランド」を受けて

日本のプレーが総スカン受けてましたね。

僕自身、リアルタイムで観戦しておらず、
TwitterのTLで試合運びと流れとか展開とか追ってたレベルなんですが、
正直総スカンされる意味が全く分からなかった。

そもそも何故総スカンを受けたのか

簡単に言うと「フェアプレーをしろ」「スポーツマンシップに則った試合しろ」みたいなところ。
日本は戦略としてフェアプレーポイントを活用した。
それが仇となって、""市民から""は総スカンを受けた。

では、フェアプレーとは何なのか。

JFAが書いているので参考にしていただきたい。
(出典:フェアプレーとは - JFA)



ここからは僕の意見。

「ルール」と「マナー」

フェアプレーしかり、スポーツマンシップしかり、明確な体系はなく、あくまでもマナーである。
そして、戦略として用いたフェアプレーポイントは、マナーではなくルールである。

ルールは守らねばならず、かつ、上手に利用して試合運びをする事も出来る。
マナーは心遣いであり、競技や審判や対戦相手に対する敬意であり礼儀である。

サッカーは「競技」である

そして何より、サッカーは競技である。
競技は勝敗が全てであり、勝たなければならない。

今回でいう「勝ち」とは、「決勝トーナメントへの進出」だ。

勝つためなら何をしてもよい?

勝つためなら何をしてもいいのかというと、そういう意味ではない。
ルールに則って戦略を立て、展開や試合運びを考えて、最適解を導き出す。
今回はそれが「ルールの一つである"フェアプレーポイント"の活用」であった。

ただそれだけである。


ここで仮に、監督がルールではなくマナーを取り、攻めたプレーをしたとする。
それでボールを奪われて失点したら、決勝トーナメントへの切符は譲らねばならない。
それではリスクが高過ぎる。だからボール回しで時間稼ぎをした。

これのどこに問題があるというのだろうか。


そもそも、攻めたプレーをする事がフェアプレーなのか。
いや、そうではない。

礼に始まり礼に終わる。
試合中も相手選手を怪我をさせないようなプレーを心がけながら全力でプレーをする。
ここでいう全力とは、監督の戦略通りにプレーをするという意味である。
観客の要望通りにプレーをするという意味ではない。

「競技」は「エンターテイメント」にもなり得る

先程も述べたように、サッカーは競技である。
しかしながら、我々一般市民からするとエンターテイメントにもなり得る。

プロレスを例に挙げると、プロレスはエンターテイメント性が強い。
特に第1試合と第2試合なんかは、客を楽しませるためのプロレスという印象を受ける。
しかしながら、セミファイナルや最終試合にもなると、タイトルマッチや因縁対決が入ってくる。
こうなるとエンターテイメント性よりも、競技としての真剣さや神聖さの方が勝る。

「競技」と「エンターテイメント」の楽しみ方

これらを一般市民が観客として楽しむとすると、
まずは、今回の試合が「エンターテイメント」なのか「真剣な競技」なのかを見極める。
次に、見極めた上で、エンターテイメントならエンターテイメント、競技なら競技の楽しみ方をする。

これを履き違えると、
「エンターテイメントとして見てるんだから、面白いことやれ」だの、
「競技として見てるんだから、エンターテイメントなんかやるな」だの、お門違いな意見が生じてくる。


今回のサッカーでも同じ。
サッカーをエンターテイメントとして、娯楽として楽しむのは、個人の自由だし良いと思う。
しかしながら、W杯という大舞台で、日本の名誉心を背負ってピッチに立っている彼らの背中は真剣そのものである。
その真剣さに対して「ドラマを見せろ」「面白いことをしろ」というのは、武士の刀を跨ぐのと同レベルでの侮辱に相当するのではないだろうか。


とはいえ、今回の試合で様々な意見が飛び交ったのは良いことである。
僕自身も今回の試合で数多くの認知に触れることが出来た。
認知バイアスによって偏った意見しか入れないより、よっぽど良い。

最後に

何はともあれ、決勝トーナメントに進めた事は名誉であり敬意を称さなければならない。
本当におめでたいし、ありがたい事である。
次の試合も日本チームらしく、監督に忠義して誠意のあるプレーで勝利に導くことを期待している。
がんばれ、ニッポン!