頑張らないように頑張る。

努力と怠惰の狭間

井の中の蛙大海を知らず、なおも空の蒼さを知らず。


序文

東京に出てきて7年になる。


上京期

「地元に貢献するために、10年で何か身に付けて帰ってくる」と言い残し、曖昧な希望と僅かな資格だけを携えて、20歳で上京してきた。


中学時代から目指していたプログラマになり、先輩や上司に鍛えられながら徐々に社会人として形成されていった。

東京にはITのみならず様々な勉強会があるのを知っていたので、積極的に勉強会に参加して社外にも魅力的な人間がたくさんいる事を知った。

SNSを通じて趣味仲間や投資家と知り合い、少なくはない額を騙されたりなどもした。


転職期

東京の酸いも甘いも知っていく中で、自分が本当にやりたい事について模索するようになった。 上京当時は『東京で、自社サービスの開発』がしたいと考えていたが、当時は『東京から出向した大船で、他社システムの保守』をしていたため、最初の転職に踏み切った。

自分で自社サービスを企画・開発できるようになったため、上京当初の目的である『地元に貢献するため』のサービスを企画したが、組織改変が生じた事により企画がお蔵入りとなる。 『東京で、自社サービス』ではなく『地元に貢献するため』という本来の目的を思い出すきっかけとなったため、二度目の転職に踏み切った。

「地元」というよりは「地方創生」に力を入れている会社であったため、会社の掲げる地方創生にコミットしていたが、会社の方針と馬が合わなくなってくる。 「そもそもIT業界で地方や地元に貢献できるのだろうか」「そもそも地元への貢献ではなく社会への貢献がしたいのではないだろうか」と思うようになり、三度目の転職に踏み切った。

『気象』という決定論的カオスを含んだ業界であるため探求心をくすぐられる。 また、防災や交通インフラ、商業活動や農林水産など、幅広い分野にコミットする事のできる業界である点も、社会貢献性が高く魅力を感じている。 更に、これまではSIerとして他社システムにコミットしていたが、元々自社サービスに携わりたい気持ちがあったため、社内SEになれたというのも大きな転機である。


不安期

ようやく腰を据える事ができた・・・と思ったが、東京に出てきて7年が過ぎようとしている。


この7年で何か身に付けたのだろうか。

あと3年で何か身に付ける事はできるのだろうか。


急激に不安と緊張が込み上げてくる。


結局、大海とはなんだったのか。 空の蒼さはなんだったのか。

フレデリックのように仲間たちに語って聞かせてやる事はできるのだろうか。


本来の公約を満たす事ができないと感じた蛙は、再び曖昧な希望と共に、曖昧に期間を延ばす事を検討している。

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