頑張らないように頑張る。

努力と怠惰の狭間

倫理観を持ち合せたエンジニア

技術士倫理綱領

技術者や科学者の倫理観について考えながら「技術者倫理」と検索かけてみたら、工学系だと必修科目という事が判明した。


日本技術士会の公式HPに「技術士倫理綱領の解説」がPDFで公開されていたので、要点のみ抜粋して引用する。
https://www.engineer.or.jp/c_topics/000/attached/attach_25_3.pdf

(公衆の利益の優先)
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福祉を最優先に考慮する。

(持続可能性の確保)
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。

(有能性の重視)
3.技術士は、自分の力量が及ぶ範囲の業務を行い、確信のない業務には携わらない。

(真実性の確保)
4.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。

(公正かつ誠実な履行)
5.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。

(秘密の保持)
6.技術士は、業務上知り得た秘密を、正当な理由がなく他に漏らしたり、転用したりしない。

(信用の保持)
7.技術士は、品位を保持し、欺瞞的な行為、不当な報酬の授受等、信用を失うような行為をしない。

(相互の協力)
8.技術士は、相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力するように努める。

(法規の遵守など)
9.技術士は、業務の対象となる地域の法規を遵守し、文化的価値を尊重する。

(継続研鑽)
10.技術士は、常に専門技術の力量並びに技術と社会が接する領域の知識を高めるとともに、人材育成に努める。


個人的に刺さったポイント

全体を通して「そりゃそうよな」という感想だけど、『組織の利益よりも公衆の安全を優先しろ』と書いているのはとても心に刺さった。
僕がこれまで歩んできたエンジニア人生としての行動規範が間違っていなかった事を示してくれている気がして、とても安心した。


個人的には、どれだけ働いても給料は上がりはしないし、会社の利益もどうでもいいから、エンドユーザに寄与できればそれでいいと思っている。
なので、バグれば直すし、バグらなくてもメンテするし、そのためには残業も徹夜もするし、エンドユーザに正しく確実に情報を届けられればそれでいいと思ってる。


なので『技術士たるもの公衆の安全と利益を優先せよ』というのはとても理解できるし嬉しい。


逆に考えると、こういう倫理観のある人間を、組織が利益を理由に押さえつけているのを見ると、非常に腹立たしい。


倫理観を持ち合せたエンジニア

そもそもこれらの倫理観を持ち合せたエンジニアはどれほどいるのだろうか。
技術士であるとかないとか関係なく、根本的な倫理観として)


個人の不利益になるような事は誰もしないだろうから、以下に関してはどんなエンジニアであれ持ち合わせていると感じる。

  • 5.公正かつ誠実な履行
  • 6.秘密の保持
  • 7.信用の保持
  • 9.法規の遵守など


一方で、以下に関しては個人的な不利益が生じるものではないため、持ち合わせていないエンジニアが散見される。

  • 1.公衆の利益の優先
  • 2.持続可能性の確保
  • 3.有能性の重視
  • 4.真実性の確保
  • 8.相互の協力
  • 10.継続研鑽


倫理観の教育

倫理観というのはなかなか教育しづらいものである。
何故なら、倫理観とは個人の思想や立場に基づくものであり、正解を導く事ができないためである。


しかしながら、本資料のような指標が提示されていれば、少なくとも教育は可能となる。


工学系だと必修科目のようだが、一般企業におけるIT研修にも盛り込まれる事を期待する。